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長野県公立高校入試 傾向と対策2021(社会)【KATEKYO 長野県】

3月9日に実施された長野県高校入試後期選抜の傾向分析をしました。

今回は社会です。

 

 

【問1】〈地理〉

Ⅰ日本地理 自給率 米と小麦

Ⅱ世界地理 キャッサバ

日本地理の問題だけで比較すると2~3年前までは『東北』、昨年は『中国、四国』、今年は『九州地方』の問題が出題されました。米と小麦の自給率の問題は、非常に良く見る問題です。都道府県について、日本の食料自給率の現状や『SDGs』についてアンテナを張っている生徒は、比較的に点数が取れたのではないでしょうか?今年はテレビなどでも『SDGs』は頻繁に取り上げられていて、保護者の方も馴染みのある内容だったと思います。

世界地理の問題は、タピオカの原料で熱帯気候に強く、高収量で『21世紀の作物』と言われているキャッサバが出題されました。こちらも『SDGs』に合わせた内容となっており、資料をしっかり読み取ることができれば正答できる内容でした。

地理全体で見ると単純な語句問題が10点分に対し、文章記述問題が6題出題され17点ありました。

表現力や思考力が必要であったため、ここで差が出た可能性は高いです。

 

 

【問2】〈歴史〉

茶を飲む習慣と歴史

率直に歴史問題は、大変だったと思います。まずは問題量が、昨年の11問から16問に増加し、歴史が苦手な生徒はその分差が開いてしまいます。ただ、記号問題が13問あり、歴史が苦手で基礎を固めてきた生徒でも得点しやすいのではないでしょうか?(5)からの問題は、地歴公混合になっており、表現力や思考力、総合的な社会科の知識がなければ、得点はできません。上位を目指す生徒は、歴史的な背景から世界の繋がりを意識して勉強していきましょう。

 

 

【問3】〈公民〉

青年年齢18歳へ引き下げ 選挙権

注目すべき点は(6)のインターネット選挙の現代社会における問題点についてです。この問題は、6点問題であり、自分が書けそうな内容の資料を選んで解くことができるので、誰でもチャンスがあります。こういった問題は空欄にせずにぜひ、何でも良いので読み取れる内容を書けるようにしましょう。ただし、そこには『自分の考えを入れ』と表記がない限りは、読み取れる内容だけを書くことが大切です。国語でも同じことが言えますが、自分の主観は極力入れず、客観的に文章や資料を見ていくことを高校に進学後も意識して勉強しましょう。

一昨年から顕著になっておりますが、今後も日常的で身近な事象が出題されると思います。公民の授業を受ける際は、「今」と関連付けて覚えていくことが重要です。

 

【今後の対策】

今年は公民の経済、国際分野が出題範囲から除外されたこともあり、問題数は39問から36問へ減少しました。

しかし、資料は昨年の15から30まで増加したため、資料問題も増加しました。昨年と比較すると難易度が、若干難化傾向にあると思います。

歴史は選択問題が多く、比較的時間に余裕を持って取り組めたと思います。

今年の全体的なテーマとしては、環境問題、国際化問題となっています。日ごろからの情報にアンテナを張って興味関心を持つことが必要です。

また、全国の過去問を掘り下げて取り組んでいると、他県で扱われているような問題が多かったです。そのため、長野県の過去問ではあまり見かけなくても、全国を見ていけば対策は十分可能です。最低でも近隣の県の問題は解いておき、初見の問題を減らしていきたいです。

最後に、基礎力の充実はどの学力層でも必須です。今回の入試でも、選択、語句問題が52%占めており平均点を目指す生徒は必ず押さえましょう。

 

新受験生は、資料の読み取りも重要ですが、まず、教科書の単語の意味までしっかり覚え、決められた文字数で説明できるよう、多くの問題を演習しておきたいですね。

 

 

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