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長野県公立高校入試 傾向と対策2021(国語)【KATEKYO 長野県】
3月9日に長野県公立高校入試後期選抜が実施され、問題内容が公開されたため、傾向分析しました。
今回は国語です。
【問一】 〈論説文〉配点34点
段落中の文の「流れ」と「構え」についての論説文。
昨年と比較すると、文章Ⅰ、文章Ⅱに分かれていたものから、今年は文章の中に別の文章が引用されている。
特筆すべきは、(4)。空欄に当てはまる言葉の組み合わせを記号で答える問題でした。読解力と文中の言葉の数から判断できる内容でした。
また、(5)(7)と記述問題が2問出題されました。
特に(5)は、新たな出題形式でした。70字~80字以内で文中の言葉を使って答える必要があり、カギ括弧をつけ忘れる生徒が多くいたのではないでしょうか?(7)は例年通りですが、70字~90字以内で自分の考えを対比を用いて書く問題です。
近年の出題傾向は、自分の考えを入れ込むことが必要になります。難易度はやや難化したと思います。
後ほど、来年に向けた対策法で解説いたします。
【問二】 〈適正的問題〉
『体験や調査から考えたことについてのスピーチ』を題材にした問題です。
この問二は、メモ、複数の資料、スピーチの内容を活用し、想像力や論理的思考力が必要な適正的な問題でした。
適正的問題の対策に向けて、問題集を斡旋する中学も増えています。これらの問題は国語だけでなく他教科でも出題され、早い段階での対策が必要です。
(5)は60字~80字以内の記述問題でした。『実際に話すように書く』という新傾向でしたが、比較的解答しやすい内容だったと思います。
【問三】 〈漢字〉
今年も例年通り、ではなく、文章を読み誤っている漢字を1字抜き出して、同じ読みの正しい漢字を書くという新たな形式での出題でした。普段の学校で行われている総合テストや復習でストでは、ほとんど出題されないであろう方法でしたので、驚いた生徒も多かったのではないでしょうか?誤りを見つけるだけでは、得点できません。誤・正の両方ができて2点でした。やや難化しましたが、漢字ですので満点で行きたいですね。
【問四】 〈古文・漢文〉
『徒然草』『孔子家論』の2つの文章を読み回答する問題です。
昨年はメモや会話文を読んで、読み解く問題で比較的解きやすい問題ではありましたが今年はメモでの誘導がなくやや難化したと思われます。
(5)は書き下し文をもとに、返り点をつける問題。(6)(7)は表現方法や慣用表現の知識を問う問題でした。
古文は、高校に入って苦しむ生徒さんが多くいます。高校入試の書き下し文のような出題のされ方はしませんので、古文単語、文法や活用、古文常識等、多くの知識が必要になりますので、中学から苦手な生徒は、高校でまず基本事項を押さえましょう。
今年は昨年の配点22点から16点に減少し、難化したと思います。
【問五】 〈小説文〉
今年も最後は小説で、珍しく電子書籍が出題されました。難易度は易しかったと思います。
昨年の字数制限のない記述問題が無くなり、文中から抜き出す問題や文中の言葉を使う問題が多くありました。(6)については、50字~70字以内の記述問題で、文中から読み取った2つ付箋を踏まえて、主人公の気持ちを書くという問題です。登場人物の心情を読み取ることができるかが問われますが、多くの生徒は主人公に感情移入してしまいます。小説の全体像を捉え、客観的に登場人物の心情を読み解く力が必要です。難しいですよね。
【今後の対策】
昨年より全体としては難化したと思います。
昨年の記述問題18点から今年は24点になり、平均点は昨年よりは下がると予想できます。また、入試問題の論説文、小説文、古文は文章全体が読みやすい、または読みたくなる内容だったと思います。
今後の国語の学習対策としては、
・論説文や小説文のいろいろな文章を読み、問題の設問に答えることで解き方を身につけていく。
・古文は古語を現代仮名遣いに直し、漢文は返り点がつけられるように基礎を身につける。また、早い段階から可能な限り、選択肢の多い様々な問題を全国入試過去問で取り組む。
・詩、短歌、俳句は表現技法の確認を問題を解きながら定着していく。
・文法、漢字は長野県公立高校入試では、問題数が少ないので、頻出度の高いものから取り組んでいく。
「えっ!たったこれだけ?」と思われるかもしれませんが、国語の勉強はものすごく時間のかかる教科です。特に新中学3年生は、論説文・小説文にも筋道を立てて答えられるように日常生活での意識を高めていく必要があると思います。今から対策を進めていきましょう。