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地域との協働による高等学校教育改革推進事業とは【KATEKYO 長野県】

今年度から、文科省から指定された高校において、「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」がスタートしました。今回はこの事業について説明したいと思います。

 

【事業概要】

この事業は、高校や中等教育学校の後期課程向けの事業です。

市町村・高等教育機関・産業界等と協力して全国各地域が抱える課題や問題を解決するための探究的な学びを実現する取組を行う高校や中等教育学校を、『地域との協働による高等学校教育改革推進事業指定校』に指定し、質の高いカリキュラムの開発や実践、体制整備を行うという事業です。

高校は、この事業に参画することによって、Society5.0を地域から支える人材の育成を目指します。

 

【Society5.0とは】

日本が提唱する未来社会のコンセプトです(Society=社会)。狩猟社会(Society1.0)、農耕社会(Society2.0)、工業社会(Society3.0)、情報社会(Society4.0)に続く新たな社会を指す言葉で、『サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する新たな未来社会』のことをSociety5.0として提唱しています。

いま世界では、経済発展が進む一方で温室効果ガスの削減や食料ロスの削減、地域間の経済格差など様々な問題に直面しています。このSociety5.0とは、IoT、ロボット、AI、ビッグテータなどの新たな技術を活用して、「経済の発展」と「課題・問題の解決」を両立していく新たな未来社会の姿です。

☑内閣府 Society5.0 リンク

 

【『地域との協働による高等学校教育改革推進事業指定校』の類型について】

文科省から指定された『地域との協働による高等学校教育改革推進事業指定校(以下事業指定校)』は取組内容に応じて、下記の3類型に分かれます。

 

1 地域魅力化型
地域ならではの新しい価値や魅力を創造するために、地域をよく知り、地域コミュニティを支える人材育成をする。そのために、地域が抱える課題や問題の解決に向けた探究的な学びを、各教科・科目や総合的な学習(探究)の時間等の中で実施する。また、それらを相互に関連させ、複数の教科にまたがる教科横断的な学習を実現したりすることにより、問題解決のための新しいカリキュラムの開発を行う。

 

<取り組み例>

・地域との連携に関係する、複数教科をまたがった教科横断的な単位を設定する。

・衰退しつつある地域の振興方策を、地域との連携により研究・実践する。  など

2 グローカル型
グローバルな視点をもってコミュニティを支える地域のリーダーを育成するため、各地域の特性に応じたグローバルな社会課題研究としてテーマ(SDGs、地域、産業、観光、文化、伝統、医療介護等)を設定し、解決に向けた探究的な学び、地元市町村・企業等との連携によるインターンシップや海外研修等を取り込んだ新しいカリキュラムの開発を行う。

 

<取り組み例>

・グローバルな社会課題を研究するカリキュラムを研究・開発する。

・海外研修などをカリキュラムの中に位置づける。

・海外からの留学生を受け入れるなど、外国人生徒と一緒に授業をしたり探求活動などを履修する。

 

3 プロフェッショナル型
専門的な知識・技術を身に付け地域を支える専門的職業人を育成するため、地域の産業界等と連携・協働しながら地域課題の解決等に向けた探究的な学びを専門教科・科目を含めた各教科・科目等の中に位置付けた新しいカリキュラム開発等を実施する。
※プロフェッショナル型については、職業教育を主とする専門学科又は総合学科における取組を対象とする。

 

<取り組み例>

・地域の特産物の付加価値を高め、安定的な食糧生産により、地域の発展を担う人材を育成する。

・ものづくりに関する専門的な技術を身につけ、地場産業を支える人材を育成する。 など

【実施期間】

この事業は3年間継続して行う事業となっています(2019年度~2021年度)。

 

【長野県内の指定校】

長野県内でも複数の高校等が申請し、審査の上、文科省から指定を受けています。

 

<地域魅力型>(全国20校)

白馬高校

 

<グローカル型>(全国20校)

県立長野高校

 

<プロフェッショナル型>(全国11校)

飯田OIDE長姫高校

 

上記の高校へは事業を行うため、文科省から予算上の支援が行われたり、指導や助言が行われます。また、この事業に申請した高校等が相当多くあったため(申請数138校⇒内審査を通過し指定校になったのは51校)、審査をしたうえで一定の評価を得た学校を「地域協働推進校(アソシエイト校)」として位置づけることとなりました。アソシエイト校は文科省からの予算上の支援はありませんが、事業指定校と同様の指導や助言が行われます。

 

<アソシエイト校>(全国26校)

市立長野高校

長野日本大学高校

 

【大学入試や高校入試との関連】

今後大学入試でe-ポートフォリオが活用されるようになってきます。そうなると、高校3年間の学びで「何を学んだか」「何に取り組んだか」だけではなく、「どんな研究(探求)をおこなったか、さらにそれをどのように発表したか」という自分の『履歴書』を充実させていくことが重要となってくると言われています。この事業指定校は、e-ポートフォリオに記載することができる企画やプロジェクトに取り組んでいく高校です。事業指定校となった高校の学生の皆さんは、日々の勉強や部活動だけでなく市事業指定校ならではの企画に積極的に参加し、大学入試で活用できる『あなただけの履歴書』を充実させてください。

また中学生の皆さんは、志望校を学力で決めるのではなく、「事業指定校であるか」という観点で決めることもポイントになってきます。単純にテストの点数や評定だけで志望校を決めるのではなく、高校入学後の進学や就職のこともイメージして志望校を決めてください。

 

☑文部科学省 地域との協働による高等学校教育改革の推進 リンク

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