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大学無償化法とは 解説 【KATEKYO 長野県】

2019年05月15日

5月10日、低所得世帯の学生を対象に大学など高等教育機関の無償化を図る新法が参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立しました。2020年4月1日から実際に施行されるのですが、どのような制度なのか、またどのような世帯が対象になるのかなどまとめてみました。

詳細は文科省のホームページに記載されていますが、ここでは大学無償化法とは何か、わかりやすくかみ砕いて解説・ご説明します。

 

【無償化の趣旨】

今回の無償化の趣旨は

 

①低所得者世帯でも大学進学ができるようにし、社会で活躍できる人材育成を行えるようにする。

②教育費を気にして子作りを控えてしまっている世帯を減らし、少子化に歯止めをかける。

 

という2点になります。

 

 

【制度の概要】

<支援の対象となる学校種別>

「大学」、「短期大学」、「高等専門学校」、「専門学校」 となります。

 

<支援の内容>

①授業料や入学金などの減免制度

②給付型奨学金の支給範囲の拡充

 

の2種類です。

「大学無償化」と聞くと全額免除になるような響きですが、正確には「大学等における修学の支援に関する法律」ですので、全額というわけではないという点が重要です。また授業料免除だけではなく、②の「給付型奨学金の支給範囲の拡充」も今回の制度のポイントとなってきます。

 

<支援対象となる世帯>

支援対象となる世帯は「住民税非課税世帯」および「それに準ずる世帯」となっています。世帯年収が270万円~380万円未満(非課税)の世帯が対象となります。要は世帯年収が380万円以上の場合は、基本的には対象外となります。あくまでも母子家庭や父子家庭、また経済面で障害がある世帯に向けての措置です。

 

<実施時期>

2020年4月

※2020年度の在学生ですので、すでに入学している学生も含まれます。

 

<財源>

消費税率引き上げによる財源を活用

 

【授業料等減免の概要】

授業料等減免の上限額(年額)は以下の通りです。

 

 

<上限額の考え方>

国公立大:入学金・授業料ともに、省令で規定されている国立大の学校種ごとの標準額まで減免

私立大:入学金は私立大の入学金の平均額までを減免

授業料は、国立大の標準額に、各学校種の私立学校の平均授業料を踏まえた額と国立大の標準額との差額の1/2を加算した額までを減免

 

で設定されています。

国公立大の4年間で見たときの入学金と授業料の総額がおよそ250万円ですので、国公立大学については入学金と授業料がほぼ全額免除となる設定となっています。

 

【給付型奨学金の概要】

給付型奨学金の概要は以下の通りです。

 

給付については、「学生が学業に専念するため、学生生活を送るのに必要な学生生活を賄えるように措置」という大前提があります。

 

【支援対象者の要件】

支援を受けるためには以下の条件が係わってきます。

 

①支援を受けた学生が大学等でしっかり学んだ上で、社会で自立し活躍できるようになること

②進学前の明確な進路意識と強い学びの意欲を持っていること

※進学後も支援対象者として十分な学習状況にあるかを継続的に確認していく

 

この①②については、高校側が高校在学時の成績だけではなく、「レポートの提出」や「面談等」により本人の学習意欲や進学目的等を確認することとなっています。

また、今回の趣旨は「社会で自立すること」「強い学びの意欲」がある学生を支援するものですので、そのような意思が見えない学生については当然支援打ち切りとなります。また打ち切りに至った理由が「懲戒による退学処分」など厳しいものであった場合は、給付額の徴収を行うことも可能となっています。

 

<支援打ち切りの考え方>

ⅰ退学・停学の処分を受けた場合

ⅱ修業年数で卒業できないことが確定した場合

ⅲ習得単位数が標準の5割以下の場合

ⅳ出席率が5割以下など学習意欲が著しく低いと大学等が判断した場合

 

【大学等の要件】

今回の支援はどのような学校も対象になるわけではなく、支援された学生がしっかり学べ、社会で自立し活躍できるようになるという目的を遂行できる学校に限られます。

 

<大学等の条件>

1.実務経験のある教員による授業科目が標準単位数(4年制大学の場合、124単位)の1割以上配置されていること。

2.法人の「理事」に産業界等の外部人材を複数任命していること。

3.授業計画(シラバス)の作成、GPAなどの成績評価の客観的指標の設定、卒業の認定に関する方針の策定などにより、厳格かつ適正な成績管理を実施・公表していること。

4.法令に則り、賃貸対照表、損益計算書その他の財務諸表等の情報や、定員充足状況や進学・就職の状況など教育活動に係わる情報を開示していること。

 

また、昨今の少子化に伴い経営に問題のある学校も対象外となります。今後、対象となる大学等の選定に入っていくので、志望校が対象となっているかの確認はしっかり行うようにしてください。

 

【最後に】

今回の法令は、「学びたくても学べない」という学生にとっては本当に大きなものとなります。

この「学びたくても学べない」という言葉には、2つの背景があります。

1つは、「学費面の問題で大学に通えない」という背景です。これは保護者としても通わせてあげたいけど、学費をねん出するのが厳しいという世帯です。

もう1つは「保護者が学業に興味がなく、進学について保護者の理解が得られない」という背景です。

現在、日本に限らず様々な国で『学歴の連鎖による学力格差』が生まれてしまっています。

この『学歴の連鎖』について説明すると、例えば大学卒の両親は大学卒の必要性や重要性を理解しているので子供も大学を卒業させようと考えます。その一方、両親が高卒である場合、大学を卒業する真の必要性がわからないため、どれだけ子供が大学に進学できる学力や関心をもっていたとしても、子供の要望を理解をすることができず、結局子供も高卒になりやすいというものです。今回の施策はそういう世帯に向けてのアプローチという側面も含まれているのではと考えています。

もちろん学歴が低いことが悪いというわけではないのですが、近年は大学名で就職の優劣が決まってしまったり、学歴によって収入格差も生まれてしまう時代です(みなさんも大学フィルターという言葉も耳にされたことがあると思います)。また求人倍率に関しても中小企業はいまだ好調ですが、社員数5000名以上の大企業ではすでに採用人数を相当絞り込んでいます。景気についても今後どのように推移するか見えない中で、「お子様に対して教育費をかける」「より良い教育を提供する」というのは親の役目ではないかと考えます。

これを読んでいる保護者の方は、お子さまが「勉強したい」という意思を持ち「進学したい」という考えを口にしたら、否定せずぜひ応援してあげてください。給付の条件は限定的なものとなってはいますが、今回の法令はそういう世帯にこそ活用すべきものであると考えます。