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私立大学全体で見れば、定員に対して十分な学生が集まっており、3年ぶりに100%を超えたため、大学全体として回復傾向にあるように見えます。しかし、これはあくまで「平均値」です。実際には以下の2つのグループにはっきりと分かれています。

◇定員を大幅に超える人気大学（主に都市部・大規模校）： 110%〜120%など、溢れるほどの志願者が集まる。
◆定員割れが続く大学（地方・小規模校）： 定員の50%〜80%しか集まらない。

つまり、「全体で100%を超えたからといって、入りやすい大学が増えたわけではない（むしろ逆）」ということです。

２. 関東の難関私立大が「合格者を絞る」理由
「定員充足率を抑えるため合格者数を絞る」理由としては「定員厳格化（ていいんげんかくか）」の影響があります。

仕組み： 国は、私立大学が定員を大幅に超えて学生を入学させることを良しとしていません（教育環境の悪化や地方からの若者流出を防ぐため）。基準を超えて入学させると、大学への補助金（私学助成金）がカットされてしまいます。

大学の動き： 人気大学は「定員割れのリスク」が低いため、補助金をもらい続けるために、合格者の数をギリギリまで減らし、定員ピッタリを狙うようになります。

３ 「偏差値上昇」のメカニズムと注意点
ここが受験生にとって最も重要なポイントです。

▷人気集中： 関東の難関大は依然として人気が高い。
▶合格枠減少： 大学側は定員を超過しないよう、合格者数を減らす。
▷倍率上昇： 「たくさんの志願者」÷「減らされた合格枠」＝ 実質倍率が跳ね上がる。
▶結果： 昨年のデータでは合格できたはずの成績（偏差値）でも不合格になるケースが増え、結果としてその大学のボーダーライン（偏差値）が上昇する。

「去年の偏差値表ではA判定だったから大丈夫」と油断していると、今年は合格ラインが上がっていて足元をすくわれる可能性があります。

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「人気大学（特に関東の難関私大）を目指す場合、過去のデータよりも『さらに厳しい戦い』になることを覚悟すべき」という言えます。安全志向を持ちすぎない： 昨年の偏差値プラス2〜3ポイント程度の余裕を持って志望校や併願校を検討する必要があります。昨年のデータ（過去問の合格最低点など）を鵜呑みにせず、最新の模試の動向や倍率速報を注視していきましょう。