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令和6年度 長野県高校入試 傾向と対策(社会)

令和6年度3月6日(水)実施の長野県高校入試後期選抜の入試分析をしました。

今回は社会です。

【問1】 歴史 配点29点 並

設問数は昨年と変わらず10問でした。記述問題が昨年は2問だったところ、今年は1問のみの出題になりました。選択問題が多かったですが、選択完答問題で15点分の出題がされました。基礎が固まっていれば、容易に選択できるために得点しやすかったでしょう。

全体のテーマとしては「木材と人々の営み」でした。出題範囲としては中世から近現代の比重が高く、(7)では文化史についても問われました。社会で高得点をとりたい受験生は文化史についても、時代と歴史、作品をセットにして理解しておくことが大切です。

(10)では木材消費について資料を見ながら分析する問題が出されていました。時代と用語を一問一答形式で暗記していくことはもちろん大切です。しかし、それ以上に、資料をみて「何が読み取れるのか」「今後はどうなることが考えられるのか」の流れを読む能力が重要視されていくでしょう。

【問2】地理 配点35点 並

設問数は昨年よりも1問増加して、8問になりました。用語記述問題は8点分で昨年から2点減少しました。記述問題は13点分の出題であり、昨年から3点減少しました。ⅠとⅡ合わせて資料が11個出されており、雨温図と輸入輸出に関する資料の出題は昨年から継続しています。

日本地理では「長野県と沖縄県の地理の違い」を中心に展開されました。(1)では沖縄県の県庁所在地の記述が出題され、全国の県庁所在地は確実に暗記しておきたいです。Ⅰの最後の問いでは、長野県の気候や地形を活かして長野観光をアピールする記述が出題されました。地元である長野の特色を十分に理解し、それらを活かしてどのように他県にアピールできるのかを考える力が必要でした。長所を活かすための方法を日常生活から考えていく積み重ねが大切です。

世界地理では「オーストラリアの多文化社会」に関する出題でした。(3)ではオーストラリアの貿易に対する記述問題でしたが、資料を正確に読み取ることができれば容易に記述できるものでした。長野で生活していると馴染みの少ない海外ですが、興味や関心を持って主体的に外国について調べてみる時間を設けてみると理解度が高まるでしょう。

記述問題も出題されていましたが、自分の考えを書くよりも、資料から読み取れることを記述できれば得点に繋がりやすいものが多かったです。資料を比較するときの「相違点」「変化」に注目できるかどうかで差がつきやすいものでした。

【3】公民 配点36点 やや易

配点の変化はありませんでしたが、設問数が2問減少し、12問になりました。公民用語を記述する問題が昨年の5問から減少し、今年は2問の出題になりました。

テーマとしては「社会保障制度」「金融政策」「可燃ごみの削減」などが出題されました。Ⅰ(4)③では農業とAIの協働についてを記述する問題でした。自分で新たな考えを作り出す必要はなく、資料で書かれている内容を元に記述していけば得点に繋がりました。

Ⅱ(2)は昨年同様に、条件付きの40字〜60字の論述問題で、配点が6点でした。資料を読み取ることで「理由」と「課題」は見えやすいものであり、書きやすい論述問題でした。

【総括と来年に向けた対策】

・昨年よりも記述問題が減少し、記述問題でも資料から読み取れたことを書くものが多く、自分の意見を述べる問題が少なかったです。そのため、平均点も上がってくると予想できます。しかし、選択完答問題もあったために、基本用語や年代などを暗記できていない受験生は得点が伸び悩むでしょう。

・AIの進化が急速に進んでおり、生成AIの発達によってAI動画も2024年内に発表される予定です。AIと協働してどのように効率化を図るか、どのような使い方ができるのかについての出題がされる可能性が高いです。日頃からAIの進化に関する記事に目を通しておくことで、関連知識を身につけていきましょう。

・来年度以降も資料関連問題や記述問題の出題は継続されるでしょう。「整理と対策」「新研究」「全国過去問題集」などを用いて、資料から正しい情報を読み取る練習を積み重ねていきましょう。

・日常で新聞やニュースを見る習慣をつけ、「なぜそうなっているのか」「自分ならどのような行動をするのか」を考える時間を設けていくと、思考力が鍛えられていきます。先見性を持って出来事を捉える練習をしていきましょう。

▶令和6年度後期選抜学力検査問題(教育委員会HP)

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