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令和6年度 長野県高校入試 傾向と対策(数学)

令和6年度3月6日(水)実施の長野県高校入試後期選抜の傾向分析をしました。
今回は数学です。

1.問題構成とその内容

・問題構成及び内容
例年通り大問4題の構成でした。

問1:基本問題を中心とした小問集合(36点)
問2:Ⅰデータの活用・連立方程式(16点)
   Ⅱ立体の体積、表面積・三平方の定理(6点)
問3:Ⅰ一次関数:速さの文章題(11点)
   Ⅱ反比例:グラフと三角形の面積(12点)
問4:平面図形:作図ソフト・相似の証明(19点)
学年別配点を見てみると、昨年は1年生範囲が6問17点だったのに対して、今年は15問35点まで増えました。その分、3年生範囲の配分が昨年よりも18点減少しました。
学年ごとの点数配分の偏りが小さくなったことが大きな特徴でした。

2.難易度の変化や出題傾向

【問1】
昨年よりも易しい問題が多く出題されました。しかし、作図問題は解き方が浮かびにくい受験生も多かったかもしれません。作図問題を除いて、全体としては基本的な計算や考え方が問われており、昨年と同様に易化傾向が続いています。

【問2】
Ⅰの(1)の問題ではデータの活用が問われました。ヒストグラムや度数分布表の読み取りができれば容易であり、全ての問題に選択肢が用意されていました。
(2)では連立方程式が出題されましたが、すでに立式されている状態が多く、穴埋めをして解いていく流れでした。
全体を通して3年生の範囲が含まれておらず、1、2年生の学習の重要性が高まっています。

【問3】
Ⅰでは一次関数が出題されました。速さの文章題とグラフの問題であり、入試に向けた演習にて数多く解いてきた問題形式だったのではないでしょうか。そのため、解き進めやすい問題であったと考えられます。(4)では答えのXを求められたとしても、それがそのまま答えになるわけではなく、問題で求められている答えを適切に把握する能力が問われました。
Ⅱでは反比例が出題され、例年の二次関数ではなかった点が大きな変更でした。(1)の②では三平方の定理を使う場面もあり、学年を超えた知識の融合が必要です。(2)ではグラフを用いて三角形の面積を求めるといった、よく問われる内容でした。グラフから長さや面積を求める出題は今後も続いていくでしょう。

【問4】
例年通りの平面図形の出題であり、昨年と同様に作図ソフトに関した問題でした。(2)①までは三角形の性質を理解し、書かれている証明を丁寧に読み解いていけば、十分に解くことができる難易度でした。証明問題だからと最初から諦めることなく、順を追って証明を読み進めることで解くことができる問題です。(4)は例年通り難しい問題でした。上位層以外は他の問題に時間を使う方が得策だったでしょう。

【総括と来年に向けた対策】
・昨年よりも学年別配点の偏りが少なくなったことで、得点しやすい問題が増えました。1、2年生の範囲も含めて基礎基本を定着させ、長野県の過去問演習を重ねてきた受験生にとっては易しく感じられる内容だったでしょう。
・基本問題を確実に解けるだけでも50点以上は得点できる難易度になっています。基礎知識を身につけるためには、「新研究」や「整理と対策」の全単元のA問題を完璧に解けるようにしましょう。また、「全国大問1問題集」もとても有効です。繰り返し演習することで、50点を超えられる基礎力を身につけていきましょう。
・データの活用や箱ひげ図の出題は継続されていくでしょう。難しい計算が必要でない内容なので、表やグラフの見方を確実に理解しましょう。得点源にしやすい単元になります。
・大問3では、今年は反比例が出題されましたが、一次関数や二次関数を含めた関数問題の対策は必要不可欠になります。料金表や速さ、水槽問題などのよく出る文章題は繰り返し解くことで、解法の流れを覚えておきましょう。また、関数の融合されたグラフ問題もよく出題されます。出題されるパターンが決まってくるので、数多くの問題に触れておきましょう。長野県の過去問を解くことで傾向を知り、自分が得点できる範囲を一つずつ増やしていきましょう。

▶令和6年度後期選抜学力検査問題(教育委員会HP)

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