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令和6年度 長野県高校入試 傾向と対策(理科)
令和6年度3月6日(水)実施の長野県高校入試後期選抜の傾向分析をしました。
今回は理科です。
【問1】〈生物〉やや易化
Ⅰはカイワレダイコンを用いた、植物の育成と光の関係についての出題でした。全体で6問あり、3問が選択、用語記述が2問、文章記述が1問となっていました。1年生で習う内容が問われており、基本的な用語知識が備わっていれば得点しやすい内容だった印象です。
Ⅱは食物連鎖に関する出題でした。(3)では記述問題が出題されましたが、食物連鎖の仕組みの基本を理解できていれば、容易に記述できる内容でした。用語の暗記に留まらず、その仕組みまでを理解しておく勉強が求められている印象です。上位層の受験生は確実に得点しておきたい問題でした。
【問2】〈化学〉やや難化
Ⅰは物質の燃焼と二酸化炭素、鉄と硫黄の反応についての化学変化に関する問題です。
計算問題は(3)だけでしたが、設定内容が難しく、状況が正しく理解できない受験生も多かったのではないでしょうか。(4)は鉄と硫黄の化学反応式を書く問題でした。教科書に出てくる化学反応式は全て暗記しておく必要があるでしょう。
Ⅱは水の電気分解の問題でした。こちらも(2)のみが計算問題でした。(3)はグラフから推測して考える問題でした。(2)(3)共に実験状況の正しい理解が必要であり、どこを見て、どのように式を立てるのかが浮かばなかった受験生が多かったのではないでしょうか。
【問3】〈地学〉やや易化
Ⅰは堆積岩と地層に関する問題でした。(1)~(3)はワークの基本問題レベルの難易度であり、基礎が固まっている受験生は容易に得点できたと考えられます。(4)の記述問題、(5)の選択問題は、堆積の基本知識を踏まえた上で思考力を要する問題でした。持っている知識を実際の現象に繋げる力が求められています。
Ⅱは天気に関する問題でした。寒冷前線の特徴をしっかりと理解できていれば、(3)の記述問題も含めて完答できたでしょう。寒冷前線が通過後の風向きと気温の変化、高気圧の気流の特徴といった基本知識を定着させておくことの必要性を強く感じます。
【問4】〈物理〉やや難化
Ⅰは力に関する問題でした。(3)の記述問題は力の原理を正しく理解しておく必要があり、本質的な理解の差によって正答率が大きく左右されたでしょう。(4)も思考力が必要な問題でしたが、3択の選択問題であり、正答率は高そうです。
Ⅱは光に関する問題でした。反射角と入射角の関係性を理解できていれば、(2)までは得点することができたでしょう。(4)が計算問題でしたが、距離と速さを使った計算であり、比較的簡単な計算問題でした。
【総括と来年に向けた対策】
・生物、化学、地学、物理はそれぞれ25点で配点され、各分野のⅠ、Ⅱ構成も例年通りでした。文章記述問題は昨年と同様に7問でした。しかし今後も文章記述問題は増える傾向があるので、用語の暗記に留まらず、自分の言葉で現象を説明できる練習を繰り返す必要があります。
・計算が必要な問題が昨年は9問に対して、今年は6問に減少しました。しかし状況設定を正しく理解しないと解けない問題が多く、計算問題の難易度は上がっています。日頃の勉強で計算問題に取り組む時には、答えまでの過程があっているのかを丁寧に確認しましょう。間違えたとしても、解説を読んだり、聞いたりすることで必ず解けるように練習を重ねましょう。
・来年度以降も、理科で習った内容を日常生活に関連させた問題が出題されるでしょう。身の回りの現象について興味を持ち、疑問を持って考えてみることで思考力が鍛えられます。毎日の生活から考える習慣を身につけ、思考力を高めていきましょう。
・まずは用語の暗記を徹底して行いましょう。基本的な用語を覚えることで、入試問題でもある程度の得点が可能になります。「新研究」や「整理と対策」を使い、基本知識の定着を最優先にしていきましょう。