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令和5年度 長野県高校入試 傾向と対策(社会)

令和5年度3月7日(火)実施の長野県高校入試後期選抜の傾向分析をしました。

今回は社会です。

 

【問1】〈歴史〉配点28点 やや易化

今年も問1が歴史になっています。問題数は昨年同様の10問です。用語を書く出題はなく選択問題が8問でした。基礎をしっかりと固めてきた受験生は得点しやすい内容でした。

ただし、選択肢の中からすべて選ぶ問題が1問、選択完答問題が2問、記述問題が2問(合計15点分)出題されていたため、そこで差が出る内容でったと思います。

問題については『稲作や税制について』でした。選択問題の多さや記述問題などでは、昨年よりも各時代背景を正確に捉えることが重要だと考えます。

現在、各学校の授業では、用語を説明していく授業が減っており、特に高校生の授業は歴史の史・資料を見て、原因や結果を考察する授業スタイルが一般的になっています。長野県高校入試でも同じく、資料の読み取る力が求められており、一問一答形式の出題はなくなっていくことになるかと予想できます。

 

【問2】〈地理〉配点36点 並

設問数は1問減って14問となりましたが、配点の増減はありませんでした。用語記述問題は10点分で2点増加しました。記述問題が16点分出題され、配点は1点分増加しました。

日本地理では、今年は『北海道の地誌』から出題されました。一昨年まで、毎年出題されていた県庁所在地を問う出題はありませんでした。今年は公民の内容に入るような用語記述が求められました。今後は分野を分けず、複合的な問題が増えていきそうです。

世界地理は『ブラジルの大豆生産』に関する出題でした。資料読み取れば得点しやすい内容となっていて、記述問題も資料読み取りがメインになっています。

完答問題も多く、知識を問う出題もありましたが、資料を読み取ることで得点しやすい内容だったと思います。しかし、地理では記述問題が多く差がつく内容でした。

 

【問3】〈公民〉配点36点 やや易化

配点の変化はありませんでしたが、設問数は3問増加し、14問になりました。また昨年は公民知識のみを問う問題が3問だったのに対し、今年は5問出題されました。

今年は『職業選択などの働き方』『経済分野』『日本のエネルギー源』についての出題でした。国連以外の広い範囲で、用語や資料問題が出題され、難化したと予想できます。ただし、Ⅱ(3)の問題は、条件付きの30~50字の論述問題であり、配点が6点もありました。こちらは昨年より、テーマや条件が絞られていて、解答しやすくなっています。SDGs関連は3年連続で出題されているので、今後も頻出問題となっていきそうです。

 

【総括と来年に向けた対策】

・昨年よりは記述問題の出題数が減少したため、全体の平均点は上がりそうです。しかし複数回答や完答といった問題も多かったので、知識の定着や用語問題を確実に得点できたかで差が出そうな入試となりました。

・基礎力の充実と知識のインプットは必須です。『新研究』や『整理と対策』等で受験で必要になる基本的な知識を定着させましょう。

・来年度以降も『歴史』『地理』『公民』それぞれで、資料問題や文章記述問題が増加していくと予想できます。初見の問題を減らし、考え方に慣れるため、できるだけ早い時期から『全国入試問題集』や『分野別過去問』で演習する必要があります。

・公民の出題範囲が広いため、上位層の生徒は1月までに公民の範囲を終えていると、入試の準備がしやすくなりそうです。

・学力にかかわらず、日頃から社会的事項に興味を持つことが大切です。SDGs、コロナウイルス関連、ロシアとウクライナの戦争、景気、選挙など日常生活で話題にしていくことで、考える力が身につきます。

▶令和5年度後期選抜学力検査問題(教育委員会HP)

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