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令和5年度 長野県高校入試 傾向と対策(国語)
3月7日(火)令和5年度長野県公立高校入試後期選抜が実施され、問題内容が公開されたため傾向分析をしました。今回は国語です。
【問一】論説文 配点34点(昨年35点)やや易化
設問数7問で昨年と変化なし。記述問題が8点分に減少しました。(昨年12点)
特筆すべき設問は
(3)指定された字数を抜き出す問題
(4)(6)選択肢の文章が長い選択問題
(5)本文を要約する選択問題
(7)70~90字の記述問題
今年の【問一】はKATEKYOの分析では難化しているとの結論がでましたが、昨年同様、具体例の多い本文であり、難しい漢字も少ないため読みやすい題材だったかと思います。また、本文の長さも昨年より短くなったことも易化していると錯覚する問題でした。
何が錯覚させるのか、それは設問の難易度の高さです。
(3)傍線部の部分が抽象化された部分を説明する問題でした。Aでは、具体例の中から抜き出す必要があるため、珍しい出題内容でした。論理的に国語の問題を捉えていた受験生は少し戸惑ったのではないでしょうか?
今年の選択問題は選択肢の文章も長いのが特徴で、選択肢をしっかり読み込む必要がありました。そして、(4)(6)どちらも2つ選ぶ必要があったため、正答率は低くなる可能性があります。
(5)選択肢の中から記号で答える問題でしたが、文章全体を読み取って解答しなければならず、選択肢の中の言葉は文中では使っていない言葉も出ているため、同じ意味の言葉に置き換える必要がありました。
(7)では昨年80~100字の記述でしたが、今年は少し減って70~90字の記述問題でした。昨年よりは解答しやすいものの、後回しにする受験生が多いため正答率も低そうです。
【問二】実用的文章 配点18点(昨年12点)並
設問数5問で変化なし。記述問題の配点が6点分になり全体の配点が上がりました。全体的な文章や資料が増加しました。一昨年の傾向に近いものでしたので、長野県の過去問を解いておけば優しい内容だったかと思います。
特筆すべき設問は
(4)40字~50字の記述問題
【問二】はほとんどが選択問題でしたが、選択肢の文章も長いため、読み比べ、判断するまでのタイムロスが起きやすい問題だったのではないでしょうか?
(4)はどの資料を見て記述すれば良いのか、誘導してくれているのでどの部分を選んで抜き出すかはわかるかと思います。ただ文章力や記述力が必要な問題でした。
【問三】漢字 配点6点(昨年6点)並
設問数3問(昨年3問)
傾向は昨年度同様の出題形式で、文章を読み誤っている漢字を1字抜き出し、同じ読みの正しい漢字を書くという形式での出題でした。昨年の傾向を踏まえ、学校で行われている総合テストや復習テストで出題されるようになりました。
【問四】古文・漢文 配点6点(昨年6点)並
設問数7問(昨年5問)で増加しました。記述4点分と変化なし。
特筆すべき設問は
(4)選択問題
(6)20~25字の記述問題
今年は一昨年の傾向と同じく、文章Ⅰ古文、文章Ⅱ漢文の2つの文章を読んで解答するものでした。難易度は昨年並となっています。
(4)は選択肢がよく作られているので誤りやすい内容だったかと思います。こちらも選択肢の中から2つ選ぶ問題のため、正答率も低くなりそうです。
(6)20字以上になるように記述する力が必要でした。この問題のでき次第で得点が上下しそうです。
【問五】小説文 配点23点(昨年27点)やや難化
設問数6問(昨年6問)記述配点が10点に増加(昨年6点)
傾向には大きな変化はありませんでしたが、設問には大きな特徴が見られました。
特筆すべき設問は
(2)記号選択問題
(4)選択問題
(6)60~80字の記述問題
今年の小説文ですが、内容は昨年同レベルでしたが設問については難しく感じる受験生も多かったのではないでしょうか?
(2)の行書、楷書の出題は平成29年、平成30年の出題でもありましたが、それ以来の出題となりました。知識を問う出題のためここでは間違えたくないです。
(4)は近年にはなかった問題でした。選択肢5つの中から正しいものをすべて選ぶ問題です。そのため選択肢すべてを読み、本文中の説明と一致しているものを見つけなくてはなりませんでした。
(6)は設問条件の付せん1、付せん2の内容を踏まえた上で、本文中にない「敬意」「反省」と同等の心情について適切に書かなくてはなりませんでした。昨年の3つの指定語句を使って記述する設問と比較すると難化している問題でした。
【総括と来年に向けた対策】
・本文の難易度は大きな変化はありませんでした。しかし、選択問題や記述問題が難化しているため、平均点は昨年同等もしくは下がると予想できます。
・選択問題が年々難化しているため、本文と選択肢をよく読んで、選択肢が正しいという根拠を見つける必要があります。しかし、よく読んでいくと時間的には間に合わないため速く読むことも必要になります。
・記述問題は、「指定語句があること」、「文中の言葉を使うこと」、「文中の言葉を使いながら文中にない言葉を用いて書くこと」が求められているため、言葉の引き出しを多くしていく必要がありそうです。
・問2は長野県の傾向としては固まりつつあるため、長野県の過去問を解いておく必要がありそうです。